最近は、健康や美容のために
「タンパク質を摂ろう」
「鉄やミネラルも大切」
「腸内環境を整えよう」
と、食事を意識される方が増えてきました。
私自身も、サロンでお客様とお話しするときには、外からのお手入れだけではなく、身体の中に何を入れているのかということも大切にしています。
なぜなら、
身体を動かすエネルギーを作るミトコンドリアも、さまざまな栄養素やミネラルを必要としているからです。
栄養が不足すれば、疲れやすくなったり、身体の回復がうまく進まなかったりします。

もちろん、お肌だって同じです。
外からスキンケアを頑張って、
食事にも気を遣って、
サプリメントまで飲んでいる。
それなのに、なかなか体調もお肌も変わらない。
そんなとき、「もっと頑張らなきゃ」と、さらに何かを足したくなりますよね。
でも、その前に一度考えてほしいことがあります。
「食べたものを、ちゃんと消化・吸収できていますか?」
ここで、私が気になっているのがピロリ菌です。
ピロリ菌って、意外と身近です
「ピロリ菌」という名前は聞いたことがあっても、自分には関係ないと思っている方も少なくありません。

でも、ピロリ菌は胃の粘膜に感染して慢性的な胃炎を起こすことがあり、胃の病気との関係も知られています。
そして、慢性的な胃炎は鉄の吸収にも影響することがあります。
だから私は、
「食事を頑張っているのに、なかなか疲労感や体調が改善しない」
という方には、「栄養を増やす」だけではなく、
「そもそも、ちゃんと吸収できる状態なのかな?」
という視点も持ってほしいと思い「ピロリ菌」のお話をよく出します。
先日、こんなお客様がいらっしゃいました
以前、サロンでお話ししたことをきっかけに、ピロリ菌の検査を受けられたお客様がいました。
結果は、陽性。
その後、医療機関で除菌治療を受けられました。
「除菌できてよかったですね」
……と、ここで終わりそうなのですが、
その後に確認すると、
「除菌後の検査、まだしていないんです」
とのこと。
そうなんです。
ピロリ菌は、除菌のお薬を飲んだら終わりではありません。
ちゃんと除菌できたのか、検査で確認するところまでが大切で、稀に除菌が失敗する人もいるからです。
せっかく頑張って除菌したのに、「たぶん大丈夫」では、もったいない。ここは、きちんと白黒つけておきたいところ。
実は、夫もそうでした
そして、これは私の身近なところでも経験しています。
夫は、胃の痛みもありません。
胃の不調も特にありません。
胃カメラを受けたときも、胃はきれいでした。
だから、私も「大丈夫なんだろう」と思っていました。
ところが、試しに血液検査でピロリ菌の抗体を調べてみたところ、陽性でした。
数値そのものは高くありませんでしたが、今後のことも考えて、体力があるうちに医療機関で相談し、除菌治療を受けることにしました。
そして、除菌が成功したことも確認しています。
胃が痛くない。
胃カメラもきれい。
それでも、ピロリ菌が関係していることがある。
この経験からも、「症状がないから大丈夫」だけでは判断できないことを実感しました。
もちろん、血液検査の抗体陽性だけで現在の感染を確定できるわけではありません。
検査には呼気・検便検査などいくつかの方法があり、それぞれ特徴があります。
だからこそ、気になる場合は自己判断ではなく、医療機関で自分に合った検査について相談することが大切です。
「昔、陰性だったから大丈夫」とも限りません
以前検査をして陰性だった方でも、
「何年も前のことだから、今も大丈夫」
と安心しきるのではなく、胃の不調や貧血など気になることがあるなら、改めて医療機関に相談してみる価値はあると思います。それが私の夫のように胃カメラだけの診断だったなら尚更です。
特に、
・昔から貧血気味
・胃腸が弱い
・胃もたれなどが気になる
・家族に胃の病気が多い
・子どもの頃に井戸水を飲んでいた
・ピロリ菌を調べた記憶がない
・除菌したけれど、成功確認をしていない
そんな方は、一度確認してみてもいいかもしれません。
もちろん、これらに当てはまるから感染しているという意味ではありません。
「一度、知っておく」ためのきっかけです。
除菌中も、身体を労わってほしい
そして、もうひとつ。
ピロリ菌の除菌治療には、抗菌薬などを使うため、副作用として胃腸の不調などが起こることがあります。
実際に、サロンのお客様の中には、除菌治療中にお肌の状態が乱れた方もいらっしゃいました。
だから、必要な方には、「除菌している間こそ、胃腸をいたわる食事や必要な栄養成分などを」お伝えしています。
これは、薬の治療を邪魔しないために自己流で何かをする、という意味ではありません。
医師から受けている治療を基本にしながら、身体への負担が大きくなっている時期だからこそ、消化しやすい食事などで身体を労わる。
そんな考え方です。
内臓の状態は、お肌にも影響します。
だから私は、外からお肌をきれいにすることだけではなく、
「今、身体の中はどんな状態なのかな?」
というところまで一緒に考えていきたいと思っています。
個体差に沿って栄養で細胞から元気にしていくのが分子栄養学の考えですから。
頑張りを増やす前に、先ず「吸収できているか」を考える
朝・昼・晩と食事を考えて
タンパク質を摂って
鉄やミネラルも意識して
野菜や魚も食べる。
ここまで頑張っているのに、
「どうして疲れが取れないんだろう」
「どうして身体の調子が上がってこないんだろう」
「どうしてお肌の改善が遅いんだろう」
そう感じているなら、
さらに頑張る前に、一度「消化・吸収」という入口を確認してみる。
私は、それが身体を大切にするひとつの方法であり、最初に取り組むべきところだと思っています。
なぜなら、せっかく頑張って食べているのに、入口で渋滞していたら……。
身体からしたら
「せっかく材料を持ってきてくれたのに準備が出来ていません。」
となっちゃうんです。
怖がらせたいわけではありません。
病気を決めつけたいわけでもありません。
ただ、
「今まで何ともなかったから大丈夫」ではなく、
「今の自分の身体を一度確認してみる」。
それだけです。
健康のために何かを始めるなら、
頑張ることを増やす前に、身体が受け取れる状態なのかを確認する。
これから年齢を重ねていく私たちには、そんな視点も大切なのではないでしょうか。

